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●動物霊の話でマターリするスレ●

65 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/02/02 23:57
ある本から抜粋。
65歳のおばーちゃんは、近頃体調がすぐれないので、検査を受けたところ、ガンが再発していた。
進行が遅いとはいえ、ガンの再発は、ゆっくりと確実に訪れる死を約束するものでしかない。
(誰かにこのことを話し、何でもいいから言葉をかけて欲しい。)
一人身の彼女は心底そう思った。自宅から50メートルのコンビニで訳もなく時間をつぶし、
真っ暗なアパートへと帰っていった。アパートの階段を上がろうとすると、かさかさと音がした。
(何だろう?)物音のする方に近づくと、ダンボールが置いてある。そっと開けると、中には、
夜目にも鮮やかな白い毛をした子猫が一匹いた。
どうせ一人身だし、話し相手もいない。ペットを飼うのは禁じられていたが、彼女は子猫を
飼うことにした。何より、彼女は部屋に自分以外の生き物がいることを想像して安堵した。

子猫は見るからに弱っている。温めた牛乳を飲ましてあげる。
彼女は子猫を愛おしい表情で見ていた。事情を知らない他人から見れば、何でもない話だが、
彼女にとって、この子猫は、生きる意義を確認する存在となった。
生きる意義は、人それぞれ。彼女はいつ激変するかわからない体を抱えながら、
ユキちゃんと名づけたこの子猫と生きる事にした。

彼女は小さな小料理屋を営んでいたが、店が終わると、すぐに帰ってユキちゃんと過ごす時間に
充てた。彼女とユキちゃんは、一緒にいればいるほど、濃密な物になっていった。
そして、不思議な事に定期検査の結果、ガンの進行がストップしていた。
(ペット療法。)そんな言葉が脳裏をよぎった。
ユキちゃんと暮らすようになってから、彼女には心の張りがでて、病気の事も忘れ、懸命に働いた。
全てはユキちゃんのおかげである。そんな、ユキちゃんとの生活が2年になった頃、さらなる悲劇が起こった。

ユキちゃんの食が細くなったので、気になって獣医を訪れた。様々な検査を行った結果、
ネコ型白血病にかかっている事が知らされた。ユキちゃんと会えたおかげで、自分の体調はよくなった。
しかし、張り合いを与えてくれたユキちゃんが死病に冒されてしまったのだ。
彼女にとってユキちゃんは、家族以上の感情を抱く対象であり、生きる意義を教えてくれた
大切なパートナーなのだ。
悲しい響きかもしれないが、彼女にはユキちゃんしかいなかった。
(私も病床に伏せる事もなく、元気に過ごす事ができている。それに対しては、感謝の言葉もない。
でも、その何事もない日々の代償が、ユキちゃんの命というのでは、割が合わない。
割が合わないどころか、残酷この上ない。何を望むでもなく正直に生きてきた自分が、
なぜ、こうも悲しい目に遭わなければならないのだろうか。)
                     
彼女は店を手放す決心をした。売り渡したお金を少しずつ使って、
ユキちゃんが最後の時を迎えるまで、片時も離れまいと考えたのだ。

つづく。                               

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